私のアジア未来学校訪問は2回目だ。前回は約2年前にチバアンポウという村で学校を運営していた時に訪問した。当時、高校を卒業して間もなかった私は、これが貧困というものかと大きな衝撃を受けた。つぎはぎのシャツに、サイズの合わないズボン。学校から帰ると生活費を稼ぐために漬け物作りのお手伝いをする子ども。家にはナベやちょっとした家具。生活に必要最低限なものしかない。日本との生活の違いに戸惑いを感じた。あれから、2年の歳月が 流れ、現在識字学校を運営しているアンロンコン村を訪問した。そこには以前の村よりもっと貧しい状況があった。家は土台がなく、木の棒を地面にさし藁をかぶせただけの簡素なもの。台所もない。もちろんナベもない。家具もない。あるのは少しの衣類だけ。おそらく、ぼくが持って行ったリュックの中身よりも家財道具は少ないだろう。仕事らしい仕事もないようだ。
こんな状況で暮らすのは本当に大変なことだ。この村を支援する意義を再認識することができた。そして、貧しさ故に目的もなく昼間からトランプに興じる大人の多いこと。そんな環境で子どもたちに明るい未来はあるのだろうか。未来ある子どもたちに識字教育の機会を提供し自分の未来を切り開く力のある子どもを一人でも多く送り出す。これこそ、われわれの使命であろう。現場に入ることによって、自分がこの団体で何をすべきか学ぶことができた。
|