奥地の小学校に行くと、ほとんどの子供たちが教科書なしで勉強しているのが見かけられる。何人かで共有していることも多い。正確な統計ではないが、小学生では平均4人に1人、中学生で7人に1人しか所有していないと言われている。
1996年ようやくカンボジア人専門家による教科書の出版にこぎつけた。
教科書は学期の初めに貸し出し、最後に回収する方法がとられている。
・配布の問題
国境近くはジャングルや山岳地帯に囲まれていている州があり、特に雨季にはカンボジアのほとんどの州は洪水で交通が寸断される。この悪条件の中でかなりの数の教科書を運ぶのは、大変な作業である。州レベルまでならば、まだ何とかなるが、そこから先の郡、地区と下りていくにつれ、倉庫に積まれたままで末端まで行きわたらないのが実状のようだ。
・保管の問題
全国の小学校の7割か8割は図書室がなく、配った教科書を年度末に回収しても保管する所がない。教室はといえば、いたるところ穴だらけで、雨漏りがしたり、扉や窓がない校舎はざらである。そこに置いておけば雨ざらしになったり、盗まれる恐れもある。
国際機関は保管のための金属製の図書箱を各小学校に配ったが、まだ充分に行き渡っていない。
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