68.7% (男性81.8%、女性58.0%)


 7歳以上の識字者は56.2%、しかしその半分以上が小学校を終えていない。特に女性は60%以上が小学校を卒業していない。全体を見ると90%が高校レベルまで到達していない状況。


 途上国に共通の問題。男子は将来良い仕事につかなくてはならないし、家族を支えなくてはならないので、優先して教育を受けさせるが、女子は家事の手伝いがあるので、親が学校に行かせたがらない傾向にある。また、学校までの距離が遠すぎる、トイレなどの施設がない、女性教師が少ない、女子は着るものなど含めると男子よりお金がかかる、などの理由で中途退学が増えてしまうと言われる。


 カンボジアの人口のうち、14歳以下が4割以上を占めている。子どもたちがこのまま増えていくと(増加率2.5%)上記のような事が起きてしまう。


 東南アジアの国々を視察した教育専門家によれば、ベトナムのホーチミン市内でも最悪という小学校を見に行ったが、その建物はカンボジアでいえばかなり良い部類の学校であったということである。カンボジアでは、長い内戦で学校が収容所などに使われ、そのまま放置されてしまったから。現在多くのNGOが学校の修復、再建に取り組んでいる。


 ポル・ポト政権では、教師や学生などの知識人は危険人物と見なされ、多くが殺されてしまった。小学校の教師になるためには11年(小、中、高)の一般教育を受けたあとで、州教育養成校に2年間通う必要があるため、養成に時間がかかる。
しかし、給料(月20ドル〜30ドル)が安いため、特にプノンペンでは、教師の5〜10倍の給料のもらえる一般の会社や国際機関、国際NGOに転職してしまう。


 奥地の小学校に行くと、ほとんどの子供たちが教科書なしで勉強しているのが見かけられる。何人かで共有していることも多い。正確な統計ではないが、小学生では平均4人に1人、中学生で7人に1人しか所有していないと言われている。
1996年ようやくカンボジア人専門家による教科書の出版にこぎつけた。
教科書は学期の初めに貸し出し、最後に回収する方法がとられている。


・配布の問題
 国境近くはジャングルや山岳地帯に囲まれていている州があり、特に雨季にはカンボジアのほとんどの州は洪水で交通が寸断される。この悪条件の中でかなりの数の教科書を運ぶのは、大変な作業である。州レベルまでならば、まだ何とかなるが、そこから先の郡、地区と下りていくにつれ、倉庫に積まれたままで末端まで行きわたらないのが実状のようだ。

・保管の問題
 全国の小学校の7割か8割は図書室がなく、配った教科書を年度末に回収しても保管する所がない。教室はといえば、いたるところ穴だらけで、雨漏りがしたり、扉や窓がない校舎はざらである。そこに置いておけば雨ざらしになったり、盗まれる恐れもある。
国際機関は保管のための金属製の図書箱を各小学校に配ったが、まだ充分に行き渡っていない。






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